まず実績のある人を探して、いなければ元々の知り合いに頼む。私は4年、その順番でやっていました。この順番に、根拠はありませんでした。
いま続いているのは2人です。1人は声をかけた知り合い4人のうちの1人。もう1人は、「福島で動画編集してる人います?」という一行の投稿から知り合った人でした。本気で見つかるとは思っていなかった投稿です。
近くに頼める相手はいない、と思っている人に向けて書きます。すでにチームがある人には要らない話です。誰に声をかけて、何を見て選んで、誰と続かなかったのかを、私の場合として書きます。
「この辺にちゃんとできる人はいない」と、私も思っていました
私も、福島にはいないと思っていました。だから探していませんでした。
正確に言うと、探す順番が決まっていたのだと思います。まず実績のある編集者を探して、見つからなければ元々の知り合いに頼む。その2つしか手がありませんでした。
実績のある人は、探しても見つかりませんでした。なぜ知り合いを次に置いていたのかは、いま説明できません。近いから、というだけです。
きっかけは「福島で動画編集してる人います?」の一投稿
やったことは、それだけです。
2025年10月、Threadsに「福島で動画編集してる人います?」と書いて投稿しました。企画も条件も書いていません。募集要項でもありません。

本気で見つけられるとは思っていませんでした。独り言に近い投稿です。
なぜ届いたのか、私には分かりません
先に、いちばん誤解されそうなところを潰しておきます。フォロワーが多かったから見つかった、ではありません。
当時の私のアカウントは、フォロワー180人ほどです。中身も、リアルの友人とInstagramでつながっている人くらいでした。同業者が集まっている場所ではありません。
その投稿は、2,233回表示されました。人数ではなく、表示の回数です。そのうち約9割は、フォロワー一覧ではなくホームに流れてきて見た人でした。私を知らない人に届いた、ということです。

正直に書きます。なぜそうなったのか、私には分かりません。アルゴリズムの理屈は理解していません。ただ、福島で映像や動画編集に興味がある人に、結果としてよく届いたというだけです。
だから「Threadsなら広がる」とは書きません。私の1回がこうなった、という記録です。同じ投稿をして同じ数字が出る保証は、私にはできません。
いないと思っていたのは、私が声を出していなかったからでした
投稿への公開の返信が8件。それとは別にDMも来て、合わせて9人ほどから「やってます!」と連絡が来ました。想定外でした。
いないと思っていたのは、私が声を出していなかったからでした。独立してからずっと「この辺にはいない」と言っていたのに、私は一度も確かめていませんでした。
ただし、9人が集まったからといって、そのなかから選べるとは限りません。実際、9人のうち8人は、私が選ばなかった側です。
8人と1人の違いは、実績ではなく目線でした
ここがこの記事でいちばん書きたいところです。
8人が送ってきたのは、自分の実績でした。これまで何を作ったか、どれだけできるか。「これだけすごいぞ」という内容です。
私が選んだ1人から最初に届いたのは、こういう文面でした。
初めまして!
コメント失礼致します!
まだ経験は浅いですが、動画編集しています!
この3行だけなら、選ぶ理由になりません。実績も作品も書かれていないので、情報としてはむしろ少ないほうです。
分かれたのは、そのあとです。この人が続けて送ってきたのは、自分の経歴と、目指していること、そしていま自分に何ができるかでした。
私が探していたのは、単発で作業を買う相手ではありませんでした。私にとっての外注パートナーとは、私が決めた企画の意図を受け取って、そのうえで手を動かしてくれる人のことです。そうなると、初対面で知りたいのは、作品の出来より、何を考えていて何ができないかのほうです。
私が次に聞くつもりでいたことを、聞かれる前に渡してきたわけです。
熱量もありました。返信も早い。「この子だな」と思って、育てるつもりでお願いしました。
技術は、9人のなかでいちばん足りていませんでした。それでも、こちらの目線に立てる人と、自分の実績を見せる人とでは、その先の手間がまるで違います。
だから、地域にいい人がいないと感じている人には、一度だけ確認してほしいことがあります。探しているのが「実績のある人」なら、地方でなくても見つかりません。私も見つけられませんでした。
隣町だったので、一度会ってから1本任せました
DMのあと、「一旦会って話しませんか」と伝えて、一度ミーティングをしました。隣町の人だったので、それができました。
会っても印象は変わりませんでした。そこで、編集を1本だけ任せました。
上がってきた初稿は、私の主観で40点です。私の頭の中にある完成形を100としたときの点数で、集計した数字ではありません。
40点の中身を書きます。
構成が、企画とずれていました。クライアントが「これとこれを伝えてほしい」と言ったものが入っていない。熱量の高い話が前に来ていない。何も考えずに、とりあえず順番に並べたものが上がってきたという感じでした。視聴者が見たい順番も、見たいカットの動きもありませんでした。
カットの扱いも雑でした。
テロップは、見た目の問題ではありません。テンプレートがあるので、ダサくはないんです。問題は言葉のほうで、見れば分かることを、わざわざ文字でも説明していました。補足ではなく、現場の解説になっていた。そういう使い方が正解の場面もあるんですが、テロップの役割はそこではありません。
音は、BGMがあべこべで、効果音の位置がおかしい。
こうして並べると分かると思いますが、どれも直せる種類のものです。技術が足りないことは最初から分かっていて、そのうえで選んでいます。あのとき初稿の点数で判断していたら、いまのパートナーはいません。
私が見ていたのは点数ではありません。伝えたことが、回を追って直っていくかどうかです。どこで見切るかの線は、後半に書きます。
2本目で、何が直ったか
一発では直りませんでした。3回目くらいまでで、かなり良くなったという感覚です。3回目で直りきったわけでもありません。
1本目から2本目にかけて直ったのは、カットの作り方と、構成の作り方です。これは私が文脈を共有しはじめたからでもありますが、クライアントの要望に沿って構成を組むことは、すぐにできるようになりました。
なお、この1本は10万円の案件でした。撮影が7万円、編集が3万円。その編集3万円のうちの半分を、外注に出したという内訳です。
正直に条件も書きます。この時期、私の作業時間は減っていません。増えています。直しも、説明も、確認も、全部こちらの持ち出しでした。
だから「手が足りないから外注する」という順番だと、最初はきついです。私の場合、半年ほどは出ていくもののほうが多くなる、と見ておくくらいでちょうどよかったと思っています。そう見積もっておいたので、私は耐えられました。
金額も書いておきます。その半年で、この人に払ったのは12万円ほどです。6本ほどの案件に入ってもらって、うち2回は撮影までお願いしました。細かい内訳までは残っていませんが、出ていった額はこれくらいです。
大きい額には見えないかもしれません。ただ、この半年は、払ったうえで自分の作業時間も増えている期間です。出ていくのはお金だけではありません。
知り合い4人のうち、続いたのは1人でした
ここが、私がいちばん外した予想です。
独立してからの4年で、私が声をかけたのは7人です。2人には断られました。受けてくれたのが5人で、いまも続いているのが2人です。
断られ方も書いておきます。どちらも「本当に自分なんかじゃ、役に立てない気がする」「迷惑をかけそうだから」でした。技術の話ではなく、引け目のほうです。
私は食い下がりませんでした。話しているあいだに消極的な姿勢が見えたので、追いかけなくていいと判断しました。なお、この2人は投稿から来た人ではありません。どちらも元々の知り合いです。
受けてくれた5人を、どこで知り合ったかで分けます。
| 知り合った経路 | 受けてくれた | いまも続いている |
|---|---|---|
| 元々の知り合い(大学の同級生、大学の後輩、高校時代の友人、知り合いに紹介してもらったカメラマン) | 4人 | 1人(大学の後輩) |
| 投稿で初めて知り合った人(Threads) | 1人 | 1人 |
知り合い4人のうち、3人とは続きませんでした。初めて会った1人とは、続いています。

私は逆だと思っていました。気心の知れた相手のほうが、話が早くて、無理も言えて、長く続くはずだと。私の場合、そうはなりませんでした。
だからといって、投稿のほうが確実だという話にもなりません。投稿から来たのは、この5人のうち1人だけです。1件の成功で、確率は語れません。
私に言えるのは、どこで知り合ったかは、続くかどうかの目印にならなかったということだけです。近い相手から順に当たっていた私の探し方には、根拠がありませんでした。
5人とも、私から声をかけています。向こうから来た人は1人もいません。投稿にしても、投稿したのは私です。
いま続いている2人を、この記事では組んだ順に一番手・二番手と書きます。順番のことで、上下の意味はありません。一番手が大学の後輩、二番手が投稿から来た人です。
県外の人は、いまのところ使っていません
これは私の限界の話です。
私が組んでいるのは福島の人だけです。育てられないからで、対面でないと難しい、というのが私の実感です。
意思疎通のしやすさもありますが、それ以上に、成長しているかどうかを確認しにくいのが理由です。画面越しだと、どこで詰まっているのかが見えません。
私の力不足もあると思います。オンラインだけで人を育てられる人はいると思いますが、私はできませんでした。
いまの運用は単純です。案件が始まるときの打ち合わせは対面で、動き出したあとの確認や修正のやりとりはリモート。この形に落ち着いています。
ひとつ断っておきます。会えば続く、という話ではありません。続かなかった3人とも、私は会っています。会うのは私が始めるための条件で、続く理由ではありませんでした。
そして、ここがこの記事のいちばん弱いところです。投稿に返信をくれた人が、近くにいるとは限りません。私の場合はたまたま隣町でした。遠方から返ってきていたら、私は誰とも組めていません。
続かなかった3人は、悪い人ではありませんでした
能力が低かったから、という話ではありません。私のやり方と合わなかった、というだけです。3人とも、声をかけたのは私です。
- 1人目:連絡が遅く、確認を入れる場所が曖昧でした。「なんでここで一度確認せずに進めたんだろう」が何度もあり、そのつど伝えましたが揃いませんでした。私の修正の手間が増え続けたのが理由です
- 2人目:作りたいものが強い人でした。私が受けているのはお客さんの悩みを解決するための映像で、そこを伝えても毎回違う方向のものが上がってきました。私が抱えきれなくなったのが理由です
- 3人目:同じミスを、何度教えても繰り返しました。伸びるのが遅いこと自体は問題ではありません
3人とも、技術より前のところで合いませんでした。
見切るのは4回目です
いつ諦めるか、という線は決めています。
同じミスが4度目になったとき、同じ話し合いが4度目になったとき。3回目までは我慢します。それ以上になると、私の時間のほうが持ちません。
3回まで待つのは優しさではありません。1回目と2回目は、私の伝え方が悪い可能性があるからです。3回目で同じことが起きたら、伝え方の問題ではないと判断しています。
数えているのは、直した回数ではありません。同じ間違いが続いた回数です。
いま続いている人にも、4回目、5回目、6回目の直しはあります。それでも切っていません。同じ間違いを3回繰り返したわけではないからです。
新しいことに挑戦したうえで「ここを直すともっと良くなる」という直しに変わっていて、要求の位置が上がっていっている。同じところで止まっているのか、上に向かって直しているのか。見ているのはそこです。
切り方も書いておきます。私は特に何も言いません。受けてもらった依頼が終わったら、次の依頼をしないだけです。
これがいい方法だとは思っていません。ただ、「あなたとは終わりです」と面と向かって伝えられたことは、私は一度もありません。
支払額が、どう変わったか
育てるとどうなるのか、金額で書きます。
先に断っておきます。これは私の場合の額で、相場ではありません。地域も、案件の規模も、引き受ける責任の範囲も違います。自分の数字を入れる枠としてだけ見てください。
投稿から来た二番手に、私が払ってきた額です。
| 最初に任せた仕事 | いま | |
|---|---|---|
| 二番手への支払い | 編集1本 15,000円 | 撮影 20,000円/編集 20,000円。1案件あたり 40,000〜50,000円規模 |
最初は編集1本、15,000円でした。初稿が40点だった、あの1本です。
いまは撮影から入ってもらっています。渡せる範囲が広がったぶん、1案件あたりの支払いも増えました。
大事なのは金額そのものではありません。上がったのは単価ではなく、任せられる範囲です。編集1本ぶんだった依頼が、撮影から編集までの1案件ぶんになった、というのが実際の中身です。
ひとつ、誤解のないように書いておきます。増えているのは、私が払っている額のほうです。渡せる範囲が広がったという意味であって、その間ずっと私の手元が楽になっていたわけではありません。
今日やること ― 心当たりを全部書き出して、1人目に声をかける
やってほしいことは1つです。頼めるかもしれない相手を、思いつくかぎり紙に書き出して、いちばん上の1人に今日声をかけてください。
私が4年で書き出せたのは7人です。内訳は、大学の同級生、大学の後輩、高校時代の友人、知り合いに紹介してもらったカメラマン、投稿で知り合った人、それに断られた2人を足して7人になります。順番を選んでいる余裕はなくて、思いついた人から当たっていたというのが実際です。
書き出すときに、1つだけ条件を足してください。自分が会いに行ける距離かどうかです。
私が組めたのは福島の人だけで、投稿から来た人も隣町でした。遠方から返信が来ても、私には育てられません。これは私の限界ですが、あなたが同じなら、最初から通える範囲で数えたほうが早いです。
投稿は、その手段の一つとして書いてください。「〇〇(地域名)で〇〇(頼みたい作業)してる人います?」の一行で十分です。募集要項は要りません。私が書いたのもそれだけです。心当たりが1人も出てこなければ、投稿が1行目になります。
そして、当たる前に1つだけ決めておいてください。返ってきた相手の、何を見るかです。
私の場合、それは実績ではありませんでした。こちらが次に知りたいことを、先回りして渡してきたかどうかです。ここを決めずに読むと、実績のいちばん多い人を選びます。私が選ばなかった側です。
7人に当たって、断られたのが2人、続かなかったのが3人。打率は高くありません。ただ、これは4年かけての7人です。一度に7人当たった話ではないので、そこは間違えないでください。
ここだけの話
偉そうに「声をかけろ」と書きましたが、私は人にものを頼むのがずっと苦手でした(笑)自分でやったほうが早い、というのを何年もやっていました。
正直に言うと、いまでも編集は自分でやりたくなります。頼むのが上手いから頼んでいるわけではなくて、頼まないと止まるから頼んでる、というのが本当のところです。
この記事の続き
この記事に書いたのは、私に実際に起きたことです。人に任せる順番、お金と時間を手元に残す組み方。その手順までは、この記事に書いていません。
記事は、私が何をしたかの記録です。教材は、あなたが明日やることの手順です。
そこだけをまとめたのが LOCALANCE BOOKS「経営の書(上級)」です。私が実際に使っている型をそのまま置いています。目次と中身は、このすぐ下から確認できます。
