渡しているのは、動画だけではありません

月に1回撮影して、月4本公開する契約を続けています。初年度に先方がいちばん価値を感じたのは、その動画ではありませんでした。見ている人がどういう層なのかという、それまで先方が持っていなかったデータのほうです。そのデータが揃うまでに2か月かかりました。月額を「毎月納品する契約」だと思っていると、ここが抜けます。

渡しているのは、動画だけではありません

毎月きちんと納品しているのに、来年も続けてもらえるかどうかが自分では分からない。そういう月額契約を持っている人へ書きます。

私はある案件で、動画のほかに渡しているものがあります。それは、誰が見ているかというデータです。先方が持っていなかったものです。

ただし、成果が測れているわけではありません。そこは後半に正直に書きます。

読んでほしいのは、納品物を出すところで止まっている人です。すでに相手の経営の数字まで扱っている人には、当たり前の話になります。

相手が困っていたのは、来園者が減っていることでした

私は福島で映像制作をしています。相手は県内のある観光施設です。

目に見えている課題は、来園者が減っていることでした。

ただ、誰が来園しているのか、何が効いているのかを判断できるデータを、先方は持っていませんでした。減っていることは分かるが、何をどう手当てすればいいかが決められない状態です。

大きな調査をする代わりに、SNSの反応を使いました

きちんと調べようとすれば、大規模な調査という手があります。ただ、時間も費用もかかります。

そこで、SNSとYouTubeの反応から関心層をつかめないかという仮説を立てました。

この契約の中身は、月に1回の撮影と、月4本の公開です。会議は四半期に一度。

単発から月額へどう切り替えたかは別の記事に書いたので、ここでは繰り返しません。

データが揃うまで、2か月かかりました

すぐには揃いませんでした。使えるデータが出てくるまでに2か月です。

投稿を出して、広告も回して、1か月ぶんの情報を2回取ったという意味です。つまり、2か月ぶんです。

1か月ぶんの情報を2回取り、2か月ぶんにする流れ

そして本当は3回取りたかったと思っています。

価値を感じてもらえたのは、再生数ではありませんでした

初年度に先方がいちばん価値を感じていたのは、動画が何回再生されたかではありませんでした。

それまで把握できていなかった、誰が関心を持っているかのデータのほうです。

具体的には、動画とSNSに反応していたのは30〜50代の女性が中心だと分かりました。

動画とSNSへの反応から30〜50代の女性が中心だと分かった流れ

先方はそれを持っていませんでした。誰に向けて何をするかを決める材料が、無かったということです。

層が分かると、その層に向けた企画の話ができます。実際、そこからイベントやキャンペーンの提案につながりました。

そこで何を提案したかは、この記事には書きません。

ただし、来園者が増えたとは言えません

ここは正確に書きます。

「発信をしたから来園者が増えた」とは、私は言えません。そこは測っていないからです。

分かったのは、誰が関心を持っているかまでです。その先を言いたくなりますが、測っていないものは書けません。

元の課題だった来園者の減少に、私の仕事が効いたかどうかは、いまも分かっていません。

測れていませんが、契約は切れていません

そのうえで、書いておきたい事実が1つあります。

この契約は、いまも続いています。切られたことは、いまのところありません。

四半期ごとに報告を出しています。私の場合は7ページくらいで、書くのに1日です。

四半期ごとに7ページくらいの報告を1日で作成する実務量

そして、誰が見ているかというデータを渡しています。私が渡しているのは、動画だけではありません。

ただし、データを渡しているから続いている、とまでは言えません。そこも測っていないからです。

どこまでが契約の範囲で、どこからが範囲外かという話は、契約書の記事に書きました。

今日できること

1つだけ書きます。

いま出している納品物に、相手が持っていない情報が1つでも入っているかを確かめてください。

案件を1つ選んで、先月渡したものを開くだけです。相手に聞く必要はありません。

入っていなければ、あなたが渡しているのは成果物だけです。それが悪いわけではありません。私も切り替える前はそうでした。

何を足すかは、新しく調べなくて構いません。すでに自分が見ているのに、渡していない数字を探してください。私の場合は、運用していたぶん手元にあった反応のデータが、それでした。

ここだけの話

「仮説を立てました」と格好つけて書きましたが、要は、きちんとした調査は時間も費用もかかるので、これから出していく発信の反応で代わりにできないか、と考えたということです。

あと本文に書いたとおり、本当は3回ぶん取りたかったです(笑)

この記事の続き

この記事に書いたのは、私に実際に起きたことです。単発を月額に変える設計、契約の作り方、範囲外を断る言い方。その手順までは、この記事に書いていません。

記事は、私が何をしたかの記録です。教材は、あなたが明日やることの手順です。

そこだけをまとめたのが LOCALANCE BOOKS「月額の書(中級)」です。私が実際に使っている型をそのまま置いています。目次と中身は、このすぐ下から確認できます。