1か月動けなくなって、38万円を失いました

独立4年目に体調を崩し、1か月ちょうど仕事が止まりました。私の場合、消えたのは約38万円。しかもこれは閑散期に止まった額です。うち20万円は、本来なら手元に残るはずだった利益が外注費として出ていった分でした。倒れると収入が止まるだけでなく支払いが増えます。繁忙期をいまも守れていない現状まで書きます。

1か月動けなくなって、38万円を失いました

独立4年目に、1か月ちょうど仕事が止まりました。熱ではありません。肩と首と腰の痛みで動けず、吐き気と胃の痛みが続いた1か月です。

この記事は、休みという設定を作らないまま撮影も編集も営業も一人で回している人へ向けて書きます。私の場合、消えたのは約38万円でした。しかもこれは、閑散期に止まった1か月の額です。

うち20万円は、休んでいるあいだに外注費として出ていったお金です。倒れると収入が止まる、という話ではありません。止まったうえで、支払いが増えます。

1か月、まったく動けませんでした

熱が出て寝込んだわけではありません。肩と首と腰の痛みが自分でもおかしいと思うくらい強くて、動けませんでした。吐き気も止まらず、胃も痛い。そういう1か月でした。

診断や病名のことは書きません。ここで書けるのは、私の身体に起きたことと、そのあいだに事業がどうなったかだけです。

独立3年目くらいまでの私は、徹夜も無休も軽く考えていました。ペースが落ちるだけだろう、と思っていたわけです。落ちませんでした。ゼロで止まりました。

止まったのは1か月、戻りきるまではもう1週間

先に書いておくと、1か月で元どおりになったわけではありません。

動けるようになってからの1週間ほどは、気分も体調もうまく軌道に乗りませんでした。そこへ、止めていた分の連絡が重なります。「すみませんでした、ご迷惑をおかけしました」を、一件ずつやっていく時間です。

休んだあとには、休んだ分の後処理があります。私はここを計算に入れていませんでした。止まる期間だけを見ていると、この1週間が抜けます。

フリーランスが倒れるとは、何が起きることか

フリーランスが倒れるとは、収入が止まる状態のことではなく、収入が止まったまま支払いだけが出ていく状態のことです。

この形になるのは、案件が自分の身体にぶら下がっているからです。私が動かないと売上が立たない。それは分かっていました。

分かっていなかったのは、私が動かなくても、支払いのほうは止まらないということでした。

動けなかった1か月で、約38万円が消えました

先に条件を書きます。止まったのは閑散期の1か月です。大型案件を抱えていた時期ではありません。繁忙期のいちばん重い月に倒れた話ではない、という前提で読んでください。

そのうえで、私の場合の内訳です。金額は当時の記憶からの概算で、帳簿を締め直した数字ではありません。

約20万円、15万円、約3万円の3項目が約38万円の合計につながる内訳図
内訳 私の場合の金額
動けない分を外注に出した費用 約20万円
その間に来た撮影依頼を1件断った 15万円
収益化していたYouTubeの更新が止まった 約3万円
合計 約38万円

先に正直に断っておくと、この3行は性質の違うものを足しています。20万円は本来なら手元に残るはずだった利益、15万円は受けられなかった仕事の金額(粗利ではありません)、3万円は止まった収益です。

きれいに揃った合計ではありません。それでも私は、この38万円を1つの額として覚えています。順に書きます。

20万円は、本来なら手元に残るはずだった利益です

いちばん効いたのはここです。断った15万円ではありません。

納品を止められない案件が動いていました。私が動けない以上、撮影も編集も人に回すしかありません。回せば当然、その分を払います。

内訳は、私の場合こうでした。

  • 自分が行くはずだった撮影の現場に、代わりに入ってもらって10万円
  • 溜まっていた編集を全部外注に出して、1本2万円ほどを何本か
  • それに、交通費や雑費

これは私の場合の額です。内容も本数も現場の条件も違えば変わるので、相場としては読まないでください。

ここは正確に書きます。口座から20万円が消えたわけではありません。その案件の売上は、私の口座に入っています。出ていったのは、本来なら自分の手元に残るはずだった20万円です。

外から見れば、その月の私は普通に仕事をしていたように見えます。実際に起きていたのは、その仕事の利益がほとんど残らなかったということでした。

先に断っておくと、この20万円が成立したのは、私に回せる相手がいたからです。渡せる人が一人もいなければ、この行は0円になります。

撮影に代わりが入れたのも、普段から一緒にやっている相手がいたからです。名指しで頼まれる仕事に代役が立つかどうかは、相手との関係と、その現場の内容によります。誰でも代役を立てられる、という話ではありません。

ただし、それで総額が小さくなるわけではありません。回せなければ案件そのものを止めるので、下の「断った分」の側が増えるだけです。38万円という数字は、私の場合の内訳がこう並んだというだけの数字で、動かない金額ではありません。

15万円は、断ったこと自体より、断った相手のほうが痛い

その間に来た撮影の依頼を1件、断りました。金額は15万円です。

失ったのは15万円ですが、私が気にしたのはそこではありませんでした。次に同じ相手から声がかかるかどうかのほうです。

断ると次が来ないかもしれない、という感覚は私にもあります。だから受け続けてきました。その積み上げの先で1か月止まって、結局15万円を断ったわけです。順番が逆になっただけでした。

結果を書きます。この相手からは、そのあとまた依頼が来ました。

ただし、条件があります。新規の相手ではなく、いつも取引してくださっているところだったというのは大きいと思っています。一度断っただけで切れる関係ではなかった、というだけの話かもしれません。

初めての相手だったらどうだったかは、私には分かりません。そこは経験していないので、断れば必ず戻ってくる、とは書けません。

3万円は、手を止めた月にそのまま消えました

当時、収益化していたYouTubeチャンネルを動かしていました。更新が止まったので、その分の収益が約3万円落ちています。

金額としては小さい行です。ただ、受託と違って、止めても誰にも怒られないという点だけは書いておきます。誰にも催促されないので、後回しにしていると、いちばん先に止まります。

クライアントには、正直に体調不良だと伝えました

金額の話より、こちらのほうが知りたい人が多いと思うので書きます。動けなくなったとき、私が取引先に伝えたのは次の3つです。

体調不良時に取引先へ伝えた3つの内容を順番に示す図

1. 体調を崩してしまったと、正直に言った

2. 公認の、信頼できるスタッフがこの後の工程を引き継ぎ、責任を持ってやると伝えた

3. 実務に顔は出せないが、確認工程は必ず自分がチェックすると約束した

相手は納得してくれました。

隠して乗り切ろうとはしませんでした。隠すと、遅れが出たときに説明できるものが何も残りません。

この伝え方で納得してもらえなかった相手は、私の場合はいませんでした。ただ、これは私が経験した範囲の話です。必ず納得してもらえる言い方だ、という保証にはなりません。

この3つのうち、代役がいなくても使えるのは1と3です

2番は、渡せる相手がいて初めて言えることです。引き継ぐ人がいなければ、この一言は出てきません。前に書いた「渡せる相手がいなければ1行目は0円になる」という話と、同じ場所でつながっています。

一方で、1番と3番は、代役の有無に関係なく言えます。正直に状況を伝えることと、自分が残る部分をはっきり約束することです。

私が言えたのは「確認工程は必ず自分がやる」でした。何を自分が持ち続けるのかを一つ決めて、それを先に言う。私がやったのは、それだけです。

当時の私に、休みという設定はありませんでした

私の場合、撮影など現場に出る日が月に10日ほど。残りの日も企画書と連絡と事務があるので、仕事をしない日はありません。1日の稼働は12時間ほどでした。

そして、休みという設定をそもそも作っていませんでした。 動けなくなったら休む。それだけです。宣言どおり、動けなくなりました。

法人化してからは週休2日を目指すようになりました。ただし、稼働時間そのものは変わっていません。いまも1日12時間くらいです。

繁忙期は、いまも守れていません

正直に書きます。繁忙期に休みを守るのは、私には無理です。もう仕方ないと思っています。

そして、ここまで書いてきた38万円は閑散期に止まった場合の額です。繁忙期の同じ1か月で止まったらいくらになるのかは、私にも分かりません。幸か不幸か、まだそうなっていないからです。分かっているのは、閑散期でこの額だったということだけです。

だから、この記事を「休んだほうがいいですよ」という話として読まないでください。私は解決していません。38万円を払ったあとも、繁忙期の入り方はほとんど変わっていません。

やれているのは、この2つだけです。

  • 「この時間には終わる」とタイマーをかける
  • 夜、風呂に入ったあとは仕事をしない

入浴後を線にしたのは、私の一日で、最後に空くのがそこだからです。そこを決めておかないと終わりが無くなります。深夜に手をつけると、翌日の始まりまで一続きになります。

時間帯そのものに意味はありません。家庭や仕事の形が違えば、最後に空く時間も違います。私がやったのは、自分の一日で最後に残る時間を、仕事に使わないと決めたことだけです。

守れる日ばかりではありません。それでも、線が引いてあると、越えたことに気づけます。1か月止まる前の私は、越えていること自体を軽く考えていました。

繁忙期の休みは、人付き合いを削って作っています

繁忙期に休みを作ろうとすると、仕事の用事が先に予定を埋めているので、友人からの誘いを蹴るしかありません。

遊びの予定は入れない。ただ休息のための日として、無理やり何も予定のない日を作る。私の場合はこの形でしか取れていません。

いい話にはなりませんでした。人付き合いを削って空白を作っているだけです。ただ、何も入っていない日を先に置かないと、その日は必ず仕事で埋まります。

温泉と整体は、自腹で払っています。それでも投資です

私が使っているのは、温泉、整体やマッサージ、それから睡眠環境への支出です。

私はこれらを自腹で払っています。経費にできるかどうかは業種や条件で変わるので、そこは専門家に確認してください。私はここでその判断をしません。

そのうえで、私はこれを投資として払っています。理由は単純で、1か月止まったときの38万円のほうが高いからです。

機材への投資が「受けられる仕事を増やす投資」だとすれば、こちらは「動ける日数を減らさないための投資」です。回収の経路が違うだけで、どちらも事業のための支出だと私は考えています。

言い切れるのは、私がこれを投資として払っているという判断のところまでです。払えば倒れなくなる、という結果のほうは言えません。私はいまも繁忙期を守れていないので、実証できていません。

それと、手元に余裕がないときに、この話は成立しません。回せる相手も、回復に使うお金も無い状態で「投資してください」と言われても、払えるものがありません。

だからここは、いますぐやることとしてではなく、余裕ができたときのために置いておいてください。順番として先に来るのは、この支出ではなく、この記事の最後に置いた3行のほうです。

私が自分に決めている停止のサイン

いま私は、肩と首の痛みや重さ、目のかすみが出たときを、休息を取るべきサインにしています。

これは医学的な基準ではありません。私が自分の経験から決めた線です。あなたのサインが同じとは限りません。

1か月止まる前にも、たぶん同じものは出ていました。当時は「そのうち治る」と思って通り過ぎました。いま思えば、判断材料はあったのに使わなかったということです。

今日やること — 「1か月止まったら」を3行で出す

読み終えたあとにやってほしいことは、1つだけです。

自分が明日から1か月動けなくなったら、いくら出ていくか。それを3行で書き出してください。

止まった場合に出ていく3項目と合計を書き込む空欄のワークシート

1. 自分の代わりを立てるとして、外注や代役に払う額

2. その1か月に受けるはずだった案件の金額(断ることになる分)

3. 自分が手を止めると止まる収入(受託以外に何かあれば、その分)

進行中の案件と請求書、それと今月と来月のスケジュールを見れば、全部数えられます。新しく調べるものはありません。

1行目と3行目が0円になる人は、たぶん多いです。渡せる相手がいなければ1行目は0、受託以外の収入がなければ3行目は0です。その場合、全部が2行目に乗ります。止まったぶんを、断ることでしか処理できないからです。0が並ぶほど、2行目は大きくなります。

3行の合計が、倒れたときの値段です。私の場合は約38万円でした。

正直に書いておくと、この3行では、断ったら次が来ないという恐怖のほうは消えません。私も消えていません。分かるのは、その恐怖に付き合い続けた場合に、反対側にいくら積まれるかだけです。

私がこの3行を数えたのは、38万円を払ったあとでした。

ここだけの話

偉そうに「線を引け」と書きましたが、この記事を書いている時期もわりと繁忙期で、入浴後に企画書を開いています。

やらないと決めた線を、自分でいちばん越えてるんですよね。越えたと自覚できるようになっただけで、越える回数自体はそんなに減っていません。

この記事の続き

この記事に書いたのは、私に実際に起きたことです。人に任せる順番、お金と時間を手元に残す組み方。その手順までは、この記事に書いていません。

記事は、私が何をしたかの記録です。教材は、あなたが明日やることの手順です。

そこだけをまとめたのが LOCALANCE BOOKS「経営の書(上級)」です。私が実際に使っている型をそのまま置いています。目次と中身は、このすぐ下から確認できます。